中高年になっても思春期の心情をマルっと持ち越してしまったせいか、どうも青臭くて真摯で刹那的な音楽に心が動かされる傾向があるようだ。貫禄ある大御所の豊かな音楽よりも、スカスカでもひたむきな想いが弾けるようなオンガクに、いまでもパワーをもらっているような気がする。

だって世の中腑に落ちないことばかりだし、夢とか希望とか誠実なモノをどこかで切り捨てないと上手く立ち回れない社会の中で、上っ面だけの良識や狂騒的な世論や物質的な豊かさに振り回されず、自分が信じる大切なものを失わないように生きていく覚悟を持つ・・・音楽をやるってことは、そんな決意を世界に対して意思表明することなんじゃないかなと、個人的には思ってたりするのだ。

単に青臭くて繊細なだけじゃない、その奥にはブレることのない確固とした芯の強さがしっかりと秘められている、だからこその真摯さ。それが私がずっと音楽を聴き続けている理由のひとつなのかもしれない。

そんな風に心の糧となってきた音楽も、80年ニューウェイブ以降ずっとUK周りを源とする洋楽がメインで、邦楽は耳にはしても、あんまり刺さらないというか、ピンと来ないことの方が多かった(例外:P-model・ゆらゆら帝国)

がしかし、何故かここ最近になって、日本の若手オルタナロック系に心惹かれるようになり、自分の中にあった「日本のロックはなんかダサイ」という偏見は一掃されてしまった模様。むしろ、only in Japan だよね、と日本固有の独特の匂いやニュアンスに、オバサンしみじみしているこの頃なのである。

[Alexandros] (旧[Champagne])

2001年結成の彼らは10年ほど活動を続けたのちに、2010年のアルバム発表を機に日の目を見始めたというから、下積み時代の長いバンドだ。ピュアな疾走感あふれるサウンドとMVのイメージから、あらま若いのね~、なんて思っていただけに意外。

ある程度歳を重ね、いろんな経験をした上での、このサウンドなんだな、と。

誰もが子供の頃に持っていた、世界をまっすぐに見据える、邪心のないまっさらな瞳。そこに映し出されていたのは、偽りのない本質の部分だけで、そこには否定も批判もなくて、ただひたすらに真実だけが淡々とそこにあって。

大人になるということは、そんな無邪気な真実を見る目を閉ざし、代わりに余分な知識や判断基準や常識を詰め込んでいくということで、その喪失感や諦念感を私達は、嫌というほど苦々しい思いで味わってきている。

だからこそ、こういう、あえてのオンガクに、私達は心動かされるんだろうな。

なんて思いながら、最近の貫禄ある作品ではなく、初期の瑞々しいMVを何度もリピートしているのでありました。

Advertisements